ディルバートに「と」登場
IT企業を舞台に、無能な上司に怠け者の社員たちが織り成す滑稽な人間模様を、皮肉たっぷりに活写した漫画「ディルバート」 。『ニューズウィーク日本版』にも3コマ版が連載されているが、こちらのサイトにも8コマ版が連載されている。
紹介するのが遅れたが、こちらの回「ボクなんか、生き返ったんだぞ!」には、何としても人に勝ちたいがために、「誰も唱えないトンデモな、もとい画期的なこと」を声高に唱え、 結局鼻つまみ者になっていく男「トッパー」(「トップになりたがる人」の意味であろう) が登場する。
得意がっているのは本人だけ、周囲はひたすら嵐が過ぎ去ってくれることだけを望んでいる……。こういうはた迷惑な「と」はバカにされても仕方がないし、たとえ百万歩譲って彼の言うことに一抹の真理があったとしても、誰も耳を貸さないであろう。
そしてトッパーの与太話につき合わされる二人が、彼にあえて反論しようとしないのもミソである。この手の人には「言うだけ無駄」「まじめに反論しても骨折り損」だからであることは言うまでもない。
同じ「と」であっても、もう少し世慣れた人なら、上手な訴え方の「ツボ」 をちゃんと心得ていて、それなりに支持を得るものである。正攻法で勝負にならないからと、新奇なことをやって人に勝とうとしても、マーケティングを研究する努力を怠れば、ますます墓穴を掘ってしまう。 結局世の中そうそう楽していい思いはできないということであろう。
| 固定リンク
「学問もどき・トンデモ」カテゴリの記事
- 「ゴミの山を調べる暇など無いのだ」(2009.02.18)
- 「生悟り」の怖さ(2009.02.15)
- どちらが不寛容か(2008.03.28)
- そんなら、客でいたまえよ。――あるいは「学界とオーケストラ」――(2008.03.28)
- ディルバートに「と」登場(2008.03.09)
最近のコメント